馬鹿なやつ - 柴田光一 的网络日记

ーー二ヶ月当たりのある午後ーー

ーー図書館ーー

「ねー、うちの学校で一番綺麗な女子は誰だと思う？」

「....宿題ないのか？」

「あるけど、だれだれ？」

「いや、そんなに女子知らないしょ、僕、一年じゃん」

  ......

「ま、強いて言えばあ、なくもないかな」

「えぇ、あんの？」

「この前、図書館でさ、僕と二つテーブルと離れたところですんげ美人がいた」

「マジかよ」

「もうびっくりしたから、あのー刘亦菲と超似てた」

「へー、まじか。いいなぁー、俺もそんな美人と付き合ったらなー」

「もう宿題やれ(笑)！」

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季節が移り変わり、気温が少しずつ暖かくなっている。心の虚しい単身男女たちが出会えを求め始める頃だ。

前の出会えから受けた痛みや悲しみを抱えて、他人から温もりを求める。

僕の友人、石川もまさしくそんな男女の一人だ。

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「あの先輩、付き合ってくれないかなあああ、ニコール先輩ーー！」

「ニコール先輩マジ女神すわーー」

「あぁニコール先輩に会いたーい！」

「どうやったらニコール先輩に意識されるんだ？」

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ニコール先輩とは、学年の始まりに、何回か一緒に狼人杀をした相手だ。それっきり関わりが途切れたが、石川が彼女の事を気になっていた。

でも「ニコール先輩の微信アカウント教えようか？」と言ったら、必ず断れる。どうやら相手から告白しないとダメ主義みたいだ。理由も簡単で、相手が自分を好きじゃないなら、告白しても振られるリスクが高いからだ。傷つくのが嫌だから、これが一番安全のやり方だ。真剣そうに言っているが、これはただ元彼女と分かれて、虚しい気持ちを発散しようとした戯言だけだと、後で知った。

ニコール先輩に続き、彼の「夢の相手」がどんどん変わっていく、アンジェル先輩やら、アリス先輩やら。全部先輩なのがなんか不思議だけど。

やがて僕にも分かるようになった、彼がそう言いう時は大体ふざけていると。

彼の想像の中では、先輩達が女神像みたいに、心も見た目も完璧過ぎて、逆にかわいそうと思った。

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正直、彼の身には僕も見える気がした。それほど口に出した事はないが、似たような事は僕も思ってる。ていうか常に思っている。

可愛い子をみたら、恋をしたくなる気持ちになるし、美人を見かけたら、付き合いたいとも思う。

ずるいんじゃない？勝手に想像を抱いたり、想像と違ったらまだ失望する。

関わる勇気さえないくせに。

誰かを愛する事は、僕らが想像した以上に複雑で、難しい事かもしれない。